Dubarryのソールの 加水分解 について
加水分解とは水分や空中の湿気などを含むことで、ウレタンなどが分解してぼろぼろになる状態のことです。
水分を含んだまま放置したり、充分な脱水が出来ないことでその劣化が早くなります。
Dubarryのソールは、ミッドソールにポリウレタン及びEVAを使用したNonSlip-NonMarking Outsoleを採用しております。
このソールはDubarryの最大の特徴である防水性とクッション性を最優先に考えられた最適なソールです。
ただし、このウレタン素材のミッドソールについては使用頻度や保管状況により、この加水分解が早まることがございます。
これはDubarryに限らずウレタンソールの全ての靴や、特にスニーカーなどに多く見られるものです。
そして濡れている状況での使用や保管状態以前に、日本は欧米に比べて非常に湿気の多い環境です。
履かずに長期間、特に風通しの無い環境で箱に入れたままで保管していると、空気中の湿気などを含むことが原因で加水分解を起こしやすくなり、ミッドソール部分がボロボロになってソールがはがれる原因となります。
保管状態により差異はございますが、3~5年すると加水分解が始まると言われています。
ウレタン素材の特性上、加水分解は避けられませんが、日々のお手入れや使用方法によって、劣化を大きく遅らせることが出来ます。
1.高温多湿を避けて保管する
2.ずっと保管せずに適度に履くこと
この2点を心掛けていただくだけで、ソールの寿命は大きく変わってきます。
1. 高温多湿を避けて保管する
なるべく乾燥した風通しのよい環境で箱から出し保管する環境が好ましいです。
日本の気候は欧米に比べ湿度が高いので、保管は要注意です。
靴箱のドアを締め切った環境も良くないので、適度な換気が必要です。
また、乾燥には日陰での保管が重要なポイントです。
直射日光では表面だけが急激に乾き、極度の乾燥状態になる上に、中心部分には水分が残ったままの状態になる恐れがあります。
2. ずっと保管せずに適度に履くこと
意外に思われるかも知れませんが、履いて圧力をかけることで加水分解を防ぐことができます。
もちろん長時間履き続けると、汗により水分が発生してしまいますが、短時間の使用を何度も重ねることが、もっとも良い環境と言えます。
“使用済と未使用”を比べると、未使用で大事に靴箱に入れ続けたものほど加水分解は起こりやすく、頻繁に使用する方が起こりにくくなります。
「大事にしてほとんど履いていなかったのに。。」
なんていう後悔をしない為にも、きちんとお手入れしながら、適度に履いて頂いた方が長持ちします。
また、ソール以外の本革のアッパー部分も、水分や汚れをそのままにせず、長く愛用頂く為に、こまめなお手入れをお勧めします。
特に塩水を浴びたり、汚れたりしたときは まず水で流し、靴専用の洗剤で洗い、日陰でしっかり24時間乾燥させた後、靴専用のコンディショナーやクリームでしっかりと保湿して下さい。
保湿後は日陰の風通しの良いところで乾燥させて下さい。もちろん直射日光での乾燥は厳禁です。
ソールの修理について
Dubarry社では、2004年までの製造ではソールはミッドソール共に縫い上げるステッチ工法を採用していました。
この工法の場合はアイルランド本社での修理が可能だった為、2004年以前は修理を承ることが出来ましたが、
2004年以降、Dubarry社は完全な防水性を実現する為にウレタン素材の射出成型工法を採用しました。
この新しい工法では、100%の完全な防水性と高いクッション性を実現するには必要不可欠な工法であり、この革新によってDubarryの品質は格段に上がり、高く評価されるようになりました。
ただし以前のように製造工程と同じ方法で、同じ状態にソールを修理することは不可能になりました。
つまり、ソールの張替をする場合は、全く異なるソールを張ることになり、Dubarryの最大の特徴である高い防水性とクッション性などの機能は、元の状態に戻すことは出来ません。
このことをご理解頂いた上で、それでも愛着のあるブーツの修理を希望される方につきましては、もちろん修理を承ります。
しかしながら、高い防水性とクッション性は損なわれますので、あくまでも「履けない状態のブーツを再び履けるようにする」ことを目的とした修理であることをご理解の上、ご依頼下さい。
お申し込み
こちらの修理についてのページをよくお読みいただいた上、修理依頼フォームよりご依頼ください。
Dubarry日本総代理店 株式会社フォーチュンにて承ります。
上記以外にご不明な点などございましたら、Dubarry Japan / ㈱フォーチュンまで、メール info@fortune-sports.jpにてご連絡下さい。